がんの話〜検査に向くがんと向かないがん〜
2018年8月1日
東京大学医学部付属病院で放射線科の准教授をされている 中川恵一Drです。
中川先生は放射線の最先端治療装置「強度変調放射線治療」(IMRT)を使ってがん病巣だけに放射線をあてる事で副作用を抑えて治癒率の向上を高める治療を研究するなど放射線科医としてがん治療をされている有名なお医者さんです。 そしてがんで亡くならない為にどうすればいいのか!?などを研究しておられます。
中川先生が言うがんになる原因は
★3分の1がタバコ
★3分の1がお酒や食事や運動といった「タバコ以外の生活習慣」
★そして残りの3分の1が「運」と言っているんです。
だから 「がんを防ぐ生活習慣を心がける事」 それと 「運悪くがんになっても早期に発見して完治させる事」 の2つが大切だと言われています。
どんなに聖者のような生活を送っていてもがんになってしまう可能性はゼロではありません。
しかも現在ではがんは決して死の病などではなく、早く見つかれば完治する事も出きますし、
付き合いながら全然長生きする事だってできます。
ですので「運悪くがんになっても早期に発見して完治させる事!」
なるのはしょうがない。なったら早く見つけて対応しましょう!!
というのが早期発見の為の検診です。
その検診も「検診に向くがん」「向かないがん」があるそうなんです。 ここからは中川先生の言葉、そのままご紹介しますね。
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例えば「前立腺がん」は80歳の4割の男性が持っていると言われています。 進行が遅く、他のご病気で亡くなった後で「ご主人さんは前立腺がんをお持ちだったんですね」とわかる事もあります。
前立腺がんの場合手術をすると尿失禁の後遺症のリスクもあるのでそれらを考えると「知らぬが仏」がベストの事もあるんです。
検診に向くがんの代表は・乳がん・大腸がん・子宮頸がんです。
日本ではこれまでの研究から・胃がん・肺がん・大腸がん・は年に1回の検診。
子宮頸がん・乳がんは2年に1回の検診が勧めら れています。
まずこの 5大がんの 検診をきちんと受ける事が大切です。
・肺がんの場合は基本的には「X線写真を撮る」だけ。
・胃がんは「バリウム検査」。
・乳がんは「マンモグラフィー」
・大腸がんは「2回の検便」。
・子宮頸がんは「綿棒のようなもの で子宮の出口を拭い取る」だけです。
大腸がんの場合、検便という簡単な検査ですが、これによって死亡率は半分程度になりますからやらないと損でしょう。 日本ではこれらの検診向きとされるがんに対する受診率が2割程度と非常に低いのが問題です。
一方で欧米のがん検診の受診率は8割に達します。 検診でがん死亡率を減らす為にはこの5大がんの検診を受ける事が大切になります。
がんの話〜がんになる原因の3分の1は…〜
2018年7月1日
東京大学医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一Dr.曰く、
がんで死なないための 一番「確実」な方法は 「がんにならないこと」 だとおっしゃいます。
何を当たり前の事を… と思ってしまいますが、「2人に1人はがんになる」と言われる「がん大国」と呼ばれる日本なのに、諸外国と比べて、なぜかがんに対する知識があまり無い人が多いんですね。
「がんを知る事」が大切だという事なんです。
中川先生がおっしゃる『がんになる原因』は 3分の1がタバコ、
3分の1がお酒や食事や運動といった「タバコ以外の生活習慣」
そして残りの3分の1が ・・・「運」と言っているんです。
えーそんな無責任な!と思ってしまいそうですが、 食事にも生活習慣にもめちゃくちゃ気をつけて、聖人君子のような生活をしている方でも、がんになってしまう事だってあり得ます。
そういう人を何人も見てきての考えなのでしょう。
だから大切なのは 「がんを防ぐ生活習慣を心がける事」 それと 「運悪くがんになっても早期に発見して完治させる事」 の2つだと言われています。
早期発見してすぐに治療をすれば、ほとんどの臓器のがんで治癒率は9割以上になります。
一昔前の「がんは不治の病」という時代は終わってるんですね。
なぜ早期発見がそんなにも大切なのか… それを解き明かしますね。
ある日、体の免疫システムから逃げ切って1つのがん細胞が生き残ったとしましょう。
そのがん細胞が細胞分裂を繰り返し、大きくなって検診で1cm(見つかる最小の大きさ)で見つかる大きさになるまでに乳がんで15年。 大腸ガンでは20年以上かかります。 (という事は60歳の検診で1cmのがんが見つかったら、乳がんだと45歳の時。大腸ガンだと40歳の頃から育ってやっと60歳の時点で見つけれる大きさになるというわけです。)
そんなに時間がかかるのか!?という感じでしょう。
ただ、問題はこれからです。 1cmのガンが4cmの進行がんに成長するには2~4年の時間で育つんです!!
さらに4cmのがんが8cmになるには 1~2年の時間でなれます。
つまりはがんは、検査でわかる大きさになるまでには長い年月がかかりますが、早期ガンが進行がんに育つにはあまり時間がかからないのです。
そしてがんが大きくなると血液中に流れ込んで全身に移動をして住み着きます。これを「転移」と言います。
たとえば乳がんの細胞は「ふるさと」である乳房が一番住み心地がいいのですが、がんの塊が大きくなってくると他の場所に栄養を求めて移動します。
そして肺にたどり着きそこを「植民地」と決めたら、そこでまた増殖を繰り返します。
そうなると「肺」にできたがんでも 元は乳がんなので乳がんの治療をするんです。
転移をすると治療もまたややこしく複雑になるので、できるだけ小さい段階ではじめの場所にいる状態の時に、治療をすると予後が全然違うそうです。
「がんを防ぐ生活習慣を心がける事」+ 「運悪くがんになっても早期に発見して完治させる事」
この二つを忘れないでくださいね。